再額装 本紙水洗い 脱酸性化処理

こんにちは。五番館の池田です。 


 本日は愛知県のお客様より再額装のご依頼を頂きました。



現代のようなアクリル板での保護がされてないため、空気中の汚れなどが蓄積しています。



本紙を洗うため分解していきますが、額本体も現代のようにベニヤパネルではなく、

格子に紙を貼ってパネル状に形成してあるため、何枚も紙が加工されています。

また、額素材から本紙を浮かすようにすることで、素材からの悪影響を最小限にしています。


古い額はほぼこういった加工ですが、時には分解してみて初めて分かる加工などがあり

とても参考になります。



専用のケースに水を張りゆっくりと本紙を沈めておきます。



埃や塵、油分などの汚れを取り除きます。



五番館では掛軸、額の作品本紙のクリーニングの際に行っているのですが、 

完成後の保ちを良くするための作業が、脱酸性化処理になります。 


表具の際に使用される糊(のり)は弱酸性、裏打紙の和紙は弱アルカリ性と、

完成直後はこの両方が使用される事により中和されている状態ではあるのですが、

長期間の保存により本紙はだんだんとに酸性へ傾いていきます。 


切り出した作品本紙を水に浸し、時間を置いて計測したところpH5.9と弱酸性。

五番館の水はpH7.0ですので、酸化が進んでいるということになります。



薬品を使用して弱アルカリ性(pH8.0前後)の水溶液を作り、その中へ作品本紙を沈めておきます。

アルカリが強すぎても本紙にダメージがありますので弱めに施工します。


作品本紙自体を弱アルカリ性にしておいて、酸性化を遅らせるということになりますが、

手元の資料によると3倍〜5倍の保存期間の違いがある、とのことです。



また、この作業は行っても行っていなくても、見た目は何も変わりません。

作品を表装、額装後の見た目も全く変わりません。

しかしこういった作業により、作品の耐久年数を上げるという事は大切だと思っています。


その後裏打ちを施し、額装の作業へ入ります。





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